JACリクルートメントはあなたと企業(求人)をマッチングさせる転職エージェント、ビズリーチはヘッドハンター(転職エージェント)や企業からスカウトが届く転職サイトです。
両者はサービス形態が全く異なります。
仕組みが少々ややこしいので、この記事では図解や表を使い思考負荷のかからない説明を心がけながら、JACリクルートメントとビズリーチの違いを解説していきます。
【JACリクルートメント】
https://www.jac-recruitment.jp/
【ビズリーチ】
https://www.bizreach.jp/
JACリクルートメントとビズリーチの違い
JACリクルートメント | ビズリーチ | |
---|---|---|
形態 | 転職エージェント | スカウト型転職サイト |
転職意欲 | 【意欲高い】 半年以内に転職したい | 【意欲低め】 良い求人があれば転職したい |
対象者の年収 | 600万円以上 | 480万円以上 (やや敷居が低い) |
コンサルタントの質 | 一定水準以上で高い | ややバラつきがある |
明確な求人の特徴 | 管理職求人と外資系企業求人が多い | IT・WEB業界 フルリモート求人が多い |
料金 | 完全無料 | 一部有料の機能あり |
サービスの歴史 | 老舗 (1988年~) | 新しい (2009年~) |
求人数 | 1.5万 (非公開求人を除く) | 1.7万 (取引社数でカウント) |
JACリクルートメントとビズリーチは、どちらもハイクラス層を対象とした転職支援サービスですが、転職を現実的に考えて行動を始めるならJACリクルートメントがおすすめです。
なぜならJACリクルートメントは、登録後にあなたのキャリアを踏まえて具体的な求人を早速紹介してくれるところからスタートするからです。
対してビズリーチは、登録後は「スカウトが来るのを待つ」という流れになります。自ら求人を探して応募もできますが、基本的には受け身の姿勢。「ひとまず登録してスカウトを待ち、良い声がかかったら選考を受けるか考える」というスタンスの人向けのサービスです。
逆に言うと「今すぐ転職する気はないけど、将来のことを考えてとりあえず何かしらの行動をしてみよう」という人にはビズリーチの方がおすすめです。
次章からは各サービスの特徴・もう片方との明確な違いについて解説しますが、おすすめな人だけ先にまとめると次の通りです。
- 転職を現実的に視野に入れている
- すぐに求人を紹介してもらいたい
- 管理職経験者
- 外資系企業やグローバル企業に転職希望
- 1年以内に良い企業があれば転職したい
- IT技術者
- 地方移住検討
JACリクルートメントの特徴【ビズリーチと比較した際の強み】
まずはJACリクルートメントの特徴から説明していきます。
JACリクルートメントは転職意欲が高い人向けの「転職エージェント」
JACリクルートメントは、登録すると担当のコンサルタントと面談(WEBなど)をおこない、その内容を踏まえて求人を紹介する、という流れで進んでいきます。
“Speed, Sincerity and Attitude”(スピードと誠実な態度)をサービスのポリシーに掲げており、連絡のやり取りは原則『24時間以内』という徹底ぶり。スピード感をもって転職活動を進められるメリットがあります。
JACリクルートメントは「複数のコンサルタント 対 求職者」
JACリクルートメントは1,200名のコンサルタントが在籍しており、業界ごとに担当制になっているためコンサルタントの専門性が非常に高いです。
そして転職エージェントの中でも珍しく、求職者一人に対し複数のコンサルタントが多角視点で求人を提案してくれます。
面談も原則として、「複数人 対 あなた」という構図になります。

この仕組みにより、客観性を保ち偏りや抜けのない的確な求人提案が実現しています。
JACリクルートメントは管理職求人・外資系企業求人(グローバル大手)が多い
JACリクルートメントは、独自に保有している非公開求人から、あなたの経歴とキャリアビジョンに合った求人を的確に提案してくれます。
JACリクルートメントで特に多い求人
管理職、企画職、人事労務、IT技術職、専門職
外資系企業、大手企業、グローバル企業
求人の年収帯は800~1,200万円あたりがメインです。
JACリクルートメントならではの特徴として、ロンドン発のサービスということもあり外資系企業やグローバル企業とのコネクションが豊富です。
語学力や経験を活かして活躍のフィールドを広げたい方は、ビズリーチよりもJACリクルートメントが適しています。
ビズリーチの特徴【JACと比較した際の強み】
次にビズリーチの特徴を解説していきます。
ビズリーチは長い目で見た転職向けの「スカウト型転職サイト」
ビズリーチは長い目で見た転職向けの「スカウト型転職サイト」で、基本的に受け身の転職向けです。
ビズリーチの転職活動はスタート地点は、大きく「(1)企業からのスカウトに返信」「(2)ヘッドハンターからのスカウトに返信」の2パターンあります。

(1)企業からのスカウトは文字通り、あなたの登録した情報を見て興味を持った採用担当者からアプローチが来ます。
(2)ヘッドハンターというのは、転職エージェントと同義です。ビズリーチに登録すると、様々な転職エージェントから「ウチでこのような求人を扱っているのですが、興味ありませんか?」と連絡が来ます。
余談ですがビズリーチは登録すると、ワークポートという中規模のエージェントから立て続けにスカウトが来ます。が、やみくもに送っているスカウトなので内容は微妙です。
そして変な話ですが、JACリクルートメントのキャリアコンサルタントも、ビズリーチを使って求職者にスカウトを送ったりしています。ビズリーチ経由でJACリクルートメントの人とコンタクトを取るといったケースもあるわけです。(これはこれで二度手間ですね…)
ビズリーチは、あくまで「企業とあなた」「転職エージェントとあなた」をマッチングさせる場(プラットフォーム)に過ぎません。
どんな企業からスカウトが来るか、どんなヘッドハンター(転職エージェント)から連絡が来るかは、あなたの経歴次第です。
冒頭の表でビズリーチはコンサルタントの質にバラつきがあると書きましたが「誰とマッチングするか次第」というのがその理由です。
ヘッドハンターといっても十人十色、優秀な人からスカウトが来るか、そうでないかは不確定要素が多いです。
なお、サイト内に掲載されている求人を自分で検索して自分で応募することも可能ですが、それをするには次項で説明する通り有料会員になる必要があります。
ビズリーチは一部有料
ビズリーチは転職系サービスで唯一、一部の機能が有料です。
無料会員 | 有料会員 (プレミアムステージ) | |
---|---|---|
料金 | – | 5,478円 |
プラチナスカウトの閲覧・返信 | 〇 | ○ |
すべてのスカウトの閲覧・返信 | × | ○ |
掲載求人への応募 | × (これができないのがネック) | ○ |
簡単に言うと、有料会員(プレミアムステージ会員)でなければ、「掲載求人に応募できない(自分で探して応募)」「ヘッドハンターからのスカウトの一部に返信できない」という制約が生じます。
特に掲載求人に応募できないのは大きなネックです。
とはいえ、ビズリーチは条件を達成すると、無料会員のままでも全ての機能を期間限定で使えるようになります。(プレミアムチケット贈呈)
- 会員登録:7日間
- 詳細情報をすべて入力:30日
- スカウトに返信:10日
- 5件のスカウトに返信:20日
ヘッドハンターからのスカウトに返信するだけで10日無料になるなど、条件は非常に甘いです。
なので特に課金の必要もないというのが正直なところです。
ビズリーチはIT・WEB系のフルリモート求人が多い
ビズリーチはIT/WEB系の求人が多く、特に「勤務地を問わない求人」の数が顕著です。
勤務地を問わない求人とは完全リモートワークの求人のこと。どこに住んでいても働ける求人で、ビズリーチはこういった求人を扱うことに力を入れているようです。
実際に、ビズリーチ上に「勤務地を問わない求人」を掲載することで、香川県の企業が東京都在住の即戦力人材を採用したり、山形県の企業が神奈川県在住の即戦力人材を採用したりするなど、首都圏の人材が居住地はそのままに地方の企業に転職し、活躍する事例が増えてきています。
「勤務地を問わない新規求人数」がコロナ禍前と比べ11.3倍に上昇 BIZREACH
完全リモートワークが可能な求人となると、ITエンジニア、オンライン営業企画、インサイドセールス、採用・労務などがメインとなります。
ビズリーチは「東京の有能な人材が地方で働く」のような世界観を目指しているようで、こういった求人が多いのだと思われます。
結論:JACリクルートメント・ビズリーチそれぞれおすすめな人
再掲となりますが、それぞれにおすすめな人は次の通りです。
- 転職を現実的に視野に入れている
- すぐに求人を紹介してもらいたい
- 管理職経験者
- 外資系企業やグローバル企業に転職希望
- 1年以内に良い企業があれば転職したい
- IT技術者
- 地方移住検討
補足ですが、JACリクルートメントをメインで使い、サブでビズリーチを使う(=併用する)のが一番賢い使い方です。
ハイクラス転職が実現可能なキャリアなら、ビズリーチで待ちの姿勢だったとしても良質なスカウトが届くはずと思います。
JACリクルートメントで紹介された求人と合わせて比較検討しながら、より年収の高くキャリアアップが見込める企業にエントリーするというのがおすすめです。