- 潰れる会社の特徴を知っておきたい
- もし今の会社が潰れそうな特徴に当てはまるなら、対策を事前に把握しておきたい
- 潰れそうなのだとしたら、今のうちに何をしておけば良いのだろう
このような不安に答えます。
「自分の勤める会社は、いつ潰れてもおかしくないのではないか」と不安に感じている方も多いでしょう。
筆者は以前、旧体制のシステム会社に勤務していましたが、自分が辞めた数年後に会社が潰れたという経験があります。その時の実体験をもとにこの記事では、あなたの勤めている会社が潰れそうかどうか、普段会社で過ごす中で簡単に判断できるポイントを解説していきます。
すべて読めば、会社の行く末を予測でき、さらに今後の不況への対策を理解できるでしょう。
今一番ヤバい、いずれ潰れる会社の特徴は「AIに無関心」
現在、いずれ潰れる会社の一番の特徴は、AI技術に無関心ということです。
今までも「いずれ遠い将来、AIで仕事がなくなる」、といった話はされてきましたが、2023年に登場した「ChatGPT」によって、数年後にあり得る話になりました。
「ChatGPT」はチャット形式の対話型AIで、機械学習により非常に高度なアウトプットが可能になっている人工知能です。
例えば最新のGPT4では、アメリカの司法試験を解かせると上位10%に入るくらいの結果を出したと言われています。
このようなAIが世の中に浸透すれば、多くの仕事が取って代わられることは明白です。実際、日本のAI第一人者の松尾豊氏(東京大学大学院工学系研究科の教授)は、「ChatGPTはホワイトカラーの仕事ほとんどすべてに影響する」と提言しています。
しかし、そんな中、こういった世の中の流れに無関心な人も多く、例えば「経営者の6割はChatGPTを知らない」という調査結果もあります。
こういった情報感度の低い会社は、大きな世の中の変化に対応できませんから、いずれ潰れる可能性が高いと推測できます。
また、体制が古すぎて「AIはおろか、ITツールさえ導入できない」といった環境の会社も、変化に適応できず、いずれ潰れる可能性があります。
他にも、会話の周りを見渡して、誰もAIについて考えていない=要するに危機感が薄い、という環境は、じわじわと崩壊していくかもしれません。
いずれ潰れる会社の共通点10個
潰れる会社の共通点は以下の通りです。
- 仕事のできる人が辞めていく
- 主要な取引先が倒産する
- 経理担当者が退職する
- 会社費用負担のイベントごとがパタリとなくなる
- ウォーターサーバーなどのレンタル備品が解約される
- 大掛かりな新しいプロジェクトを急に始めようとする
- 給与や手当、ボーナスが減額される
- ノルマが厳しく課せられる
- 書類が多い
- 意外と求人を出している
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 仕事のできる人が辞めていく
倒産する会社は、早い段階で仕事のできる人が続々と辞めていく傾向にあります。業績が悪くなるであろう企業は、
- 頑張った人が報われない
- 能力のある人に余計な仕事が回ってきて、サボっている人は楽をしている
など、仕事のできる人が軽視されるからです。
そのため、有能な人ほど早々に見切りをつけて、会社を去っていくのです。
2. 主要な取引先が倒産する
主要な取引先の倒産をきっかけに、あっという間に業績が傾くことがあります。
ドミノ式で倒産が相次ぐ場合、それらを防ぐことは難しいでしょう。
なるべく早い段階で、倒産の連鎖に気づけるように、常日頃から情報収集の習慣をつけておくことが大切です。
3. 経理担当者が退職する
経理担当者は会社の経営状況を熟知しています。
それゆえ、業績の悪化にいち早く気づき、早い段階で退職していくのです。
普段会社で過ごす際も、経理担当の人たちに目を向けてみると良いでしょう。可能であれば、色々と話しを聞いて、情報を得ておくのも大切です。
4. 会社費用負担のイベントごとがパタリとなくなる
業績が悪くなると、会社負担のイベントごとがパタリとなくなります。
会社費用負担の飲み会や社員旅行などが、行われなくなった場合は、少々気をつけたほうがよいかもしれません。
5. ウォーターサーバーやレンタル備品が解約される
業績が悪化すると、細々した経費を削減するようになります。
代表的な例が、ウォーターサーバーなど、常備品やレンタル備品の解約です。
これは、社員の福利厚生にお金を回す余裕すらなくなっていることを意味します。
いずれ金銭的な余裕がなくなるのは明白でしょう。
6. 大掛かりな新しいプロジェクトを急に始めようとする
事業が傾き始めると、それをなんとか挽回しようとし、起死回生の一手として、大掛かりなプロジェクトを急に始めようとする企業もあります。
ですが、入念な戦略のない場当たり的なものになってしまうため、成功する確率は限りなく低いでしょう。
多額の投資が無駄になり、余計に財政面に悪影響を与えてしまいます。
7. 給与や手当、ボーナスが減額される
従業員の収入に影響するようになると、相当危険な状態になっていると言えます。
給与や手当が減ったり、ボーナスが支給されないなどの事態になった際は、今以上に危機感を強めなければなりません。
8. ノルマが厳しく課せられる
傾く状況をなんとかしようと、従業員にノルマを厳しく課す企業も少なくありません。
到底達成できないようなノルマを与え、少しでも多くの利益を上げようとするわけです。企業には金銭的な余裕がないため、当然いくらノルマを達成しても、昇給や報酬はありません。
それどころか、サービス残業が増えることもあります。
9.書類が多い
いずれ潰れる会社とは言い換えるなら時代についていけない会社です。その指標として新しいツールをなかなか導入しないという特徴があります。
顕著な例が書類です。時代についていけない会社は書類が多い傾向にあります。情報を「データ」ではなく「紙」で管理しているわけです。
情報の扱い(管理・アクセス・検索性)で紙の方が良いケースはほとんどありません。ですが時代についていけない会社は既存の体制をなかなか変えられず、いつまで経っても紙の書類や古いツールを使い続けてしまいます。
こうした腰の重さはやがてビジネスの流れが変わった時に「周囲に取り残される原因」となってしまうでしょう。
10.意外と求人を出している
潰れそうな会社は人材を雇う余裕もないと思いがちですが、意外と求人を出しているものです。実際に、面接時は「業績が堅調」と説明されて入社し、その後数か月で倒産したという事例は多々あります。
背景としては、「業績不振を人材確保でなんとか立て直そうとしている(けどできない)」「人事部すらも会社の状況を正しく把握していない」などが考えられます。
求人を出しているから安心ではない点は理解しておきましょう。
いずれ潰れる会社の社員の特徴6個
いずれ潰れる会社の社員の特徴は、以下の通りです。
- 時間や身だしなみにルーズな人が多い
- 長時間労働に慣れてしまっている
- 隠れて転職活動をしている社員が多い
- 顧客を舐めた態度を取る社員がいる
- メンタルを崩す社員がいる
- 潰れてほしいと思っている社員が多い
それぞれを詳しく見ていきましょう。
1. 時間や身だしなみにルーズな社員が多い
- 時間に遅れる人が多い
- 身だしなみにルーズな人が多い
など、常にだらけた雰囲気を放っている会社は、全体的に緊張感がありません。
細かいところにまで気が回らないため、それぞれが些細なミスを繰り返していきます。
そしていつかそのミスが積もりに積もって、取り返しのつかない事態に陥ってしまうのです。
大きな問題は、日々の意識の低さが積み重なった結果である、と理解しておきましょう。
2. 長時間労働に慣れてしまっている
社員の多くが、長時間労働に慣れてしまっている場合、以下のケースが考えられます。
- ダラダラする習慣がついており、生産性が著しく低い
- 人手不足で残業しないとタスクがさばけない
特に生産性の低さは、事業の悪化に直結します。
これまではなんとかやっていけていたかもしれませんが、2020年以降の不況時にはとうてい対応できないでしょう。
また、人手不足が慢性化している場合も、「労働環境が悪く、人材が定着しない」ことが原因であると考えられます。
このケースも、従業員が足りず、結果として事業が傾くことが充分想定されます。
3. 隠れて転職活動をしている社員が多い
「有能な人ほどつぶれそうな会社を去っていく」に類似しますが、事業が悪化している会社は、隠れて転職活動をしている人が多いものです。
就業中に転職サイトを見ていたり、有給をうまく使い面接を受けていたりします。そして倒産する前に次の就職先を見つけているのです。
もし周囲に「転職をしようか考えている」という人が多いのであれば、遅れを取らないように気をつけてください。
4. 顧客を舐めた態度を取る社員がいる
いずれ潰れる会社は、顧客第一ではなく、目先の利益ばかりを考えています。
そのため、顧客をバカにしたり、「顧客のことはどうでもいい」という旨の発言をする社員も多くなります。
現状はそれで利益が上がっているかもしれませんが、それもそう長くは続かないでしょう。
5. メンタルを崩す社員がいる
メンタルを崩す社員がいる会社は警戒が必要です。
パワハラが常態化している可能性が高く、いずれあなた自身も精神的にダメージを受けることもないとは言い切れません。
一度メンタルを崩してしまうと、治すまでに時間がかかります。特に不況期は再就職も難しくなってくるでしょう。
6.潰れてほしいと思っている社員が多い
「この会社潰れてほしい」のような感情を抱いている社員が多い会社も危険信号です。社員の労働がきちんと評価されない体制の現れと言えるからです。
日頃の仕事が正しく評価されてさえいれば、多少環境は厳しくても人材は離れていきません。(多少嫌な同僚がいても、給料がグングン上がれば不満はないですよね)
ですが、正しく評価されない環境からは優秀な人材はどんどん離れていきます。そして優秀な人材がいなくなり、新たな人材も入ってこなければ、当然業績にも影響するでしょう。
いずれ潰れる会社に共通する雰囲気3つ|倒産寸前の会社の雰囲気
いずれ潰れる会社は、社内の雰囲気も客観的に見れば変であることが多々あります。
- 社員同士で交流がない
- 部署の空気が悪く、常にピリピリしている
- 周囲を蹴落とす、出し抜くことばかり考えている人が多い
それぞれ詳しく見てみましょう。
1. 社員同士で交流がない
潰れる会社には、社員同士の交流がほとんどないという特徴があります。
それぞれが一定の距離を開けて、深く関わろうとしないのです。
もちろん、「仕事は仕事」と割り切るのは大切ですが、この場合「会社がどうなっても関係ない」というような他人事のような感覚が原因となっていることが多いようです。
そのため、もし経営が傾いても、「全員で乗り越える」といった意識は一切なく、為す術がないまま倒産してしまいます。
2. 部署の空気が悪く、常にピリピリしている
- 部署の空気が悪く、ピリピリとしている
- 常に怒っている人がいる
- 怒号が飛び交っている
このような環境では、生産性が上がるわけがありませんし、社員も多大なストレスを抱えることになります。
良識的な人や有能な人から順に退職していき、高圧的な人や他者を攻撃するのが趣味のような人が最後まで残るでしょう。
そのような会社は、いずれ人材不足となり、やがて潰れていきます。
3. 周囲を蹴落とす、出し抜くことばかり考えている人が多い
社員同士の協調性がなく、周囲を蹴落とすことばかり考えている人が多い会社も注意が必要です。
このような会社では、「周りが全員敵」という考えを持つ人が多く、いざという時に足を引っ張る社員も出てくるでしょう。
いずれ潰れる会社の社長の特徴4つ
いずれ潰れる会社は、社長を見ればある程度予測できます。
- 数字やデータを使えず、論理的でない
- 虚栄心が強く、見栄を張る
- 社員の満足度を軽視している
- 社長の外出が増えた場合は要注意
詳しく見ていきましょう。
1. 数字やデータを使えず、論理的でない
経営がうまく行かない会社の社長は、論理的な考えを持ちません。
数字やデータを信用せず、精神論や、昔の経験則ばかり口にする傾向があります。このような感覚では、「いまだかつてないほどの不況」を乗り越えるのはまず難しいでしょう。
「みんなで一致団結して乗り切ろう」のような精神論で、社員をがむしゃらに働かせ、結局倒産してしまうことも、あり得ない話ではありません。
2. 虚栄心が強く、見栄を張る
見栄っ張りな性格の社長が率いる会社は、余計な部分にコストを使いやすい傾向にあります。
たとえば、分不相応な立地にオフィスを構えるなど、外面だけを取り繕うようなことばかり考えます。
そのくせ、社員の給与に還元するようなことは行いません。
3. 社員を大事にしない
社員の満足度・働きやすさを軽視している(社員を大事にしない)会社も、徐々に傾き始めるでしょう。
特に人手不足の会社は、福利厚生などを充実させるべきなのですが、従業員を軽視している会社は、そういった部分に目を向けません。
この時代に社員を大切にしない組織は、やがて人手不足が加速していき、仕事が回らなくなると予想されます。
4. 社長の外出が増えた場合は要注意
会社が傾き始めると、「社長の外出が増える」と言われています。
資金繰りが厳しくなり、様々な金融機関を訪れたり、金策に奔走することになるからです。
「やけに社長の外出が増えたな」と感じる場合は、社長の動向を注意深く観察しておく必要があります。
もしも会社がつぶれたら【まずは失業保険を申請しましょう】
これからの時代、企業の倒産は他人事ではありません。
もし自分の会社が潰れた際にどうすればよいのか、具体的な方法を知っておきましょう。
- まずは失業保険を申請
- 家賃補助制度を活用する
- 転職活動は在職中から行っておくべき【何事も用心が大切】
1. まずは失業保険を申請
会社が倒産したら、まずはなによりも先に失業保険の申請をします。
一般的な失業保険の給付は、3ヶ月間の制限がありますが、会社都合退職の場合、その必要はありません。
給付金額は、直近6ヶ月の給与と年齢によって決定されます。目安としては月15万円前後が多いでしょう。
2. 家賃補助制度を活用する
もしも失業期間が長引きそうであれば、自治体が設けている家賃補助制度を活用すると良いでしょう。
家賃補助制度の内容や期間は、自治体にって異なります。
自治体の家賃補助は、自分で調べ、申請しなければ受けられません。
それゆえ制度そのものの存在を知らない人も多いのです。
どのような家賃補助制度があるのか調べておきましょう。
3. 転職活動は在職中から行っておくべき【何事も用心が大切】
「もしもの事態に備える」という意識は常に持っておいてください。
会社が倒産してから次の就職先を見つける、というのも可能ですが、その頃には不況の影響が広がっているかもしれません。
そうなると、求人倍率も下がるため、条件の良い仕事を見つけるのは非常に難しくなるでしょう。
さいごに
もしもに備えて在職中から転職活動をするならば、【リクルートエージェント】などの転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントとは、転職のプロであるキャリアアドバイザーと二人三脚で、仕事を探すことができるサービスです。利用することで、在職中でも、スムーズに転職活動を進めることができます。