リクルートエージェントの噂の真偽を確かめるべく、実際に登録して求人を紹介してもらいましたが、「ブラックばかり」は言い過ぎだという印象を受けました。
年間休日125日以上・残業なし・賞与2~3ヶ月の求人は何度も見かけましたし、普通の転職サイトでは見ない企業も多数求人を出しているようでした。
ではなぜ「ブラックばかり」などという悪評が回っているのか、他のエージェントと比較してみたところ「確かにそれはブラックばかりと言われるようになるわ」と思える3つの理由があるという結論に至りました。
この記事では、リクルートエージェントがブラックばかりと言われがちな背景を紐解き、「あなたがリクルートエージェントに登録すべきかどうか」の判断基準まで解説していきたいと思います。登録前の最終判断として参考にしてください。
「リクルートエージェントはブラックばかり」という趣旨の口コミ・評判
リクルートエージェントは業界最大手であるがゆえに、悪い評判も当然ながら存在します。
リクルートエージェントの求人に対する悪い口コミ評判
▼スカウトがブラック企業からばかり
リクルートエージェント、異業種から来るスカウトはどれもこれも悪名が知れた大手ブラック企業のものばかり。ブラック企業が転職サイトに大量の広告料を注ぎ込んでは人材を拾っては使い捨てを繰り返しているであろうことが容易に想像できて、ものすごい闇を感じている。
▼求人数が多いがその分ブラックも多い
リクルートエージェントはCMの通り求人数多いけど、普通にブラック企業もあってびびる。手軽に応募できるが、倍率高い
▼良い求人が埋もれる
リクルートエージェントは求人は山のように多いけどブラック企業多すぎて良いの見つからん。良い求人が埋もれてる
▼学歴で判断されてるのかも
リクルートエージェントも使ったけど、あそこは本当にブラック紛いの求人しかないし、人のこと学歴で判断してんのか全く良い求人はなかった。
すぐ採用もらえたけど、全然考える判断とかさせてくれないし、一回断ってからのサポートがマジクソだった。
▼ホワイト企業ばかり扱っているというわけではない
グレー企業勤めだったのでリクルート・エージェントを介して転職したら、見事なまでのブラック企業に勤めることになった経験がある。dodaの紹介でモラハラブラック面接を受けたこともある。
必ずしも「大手の転職エージェントだから優良企業だけを扱っている」というわけではない。
確かに、リクルートエージェントでブラック企業求人と遭遇している人は多いようです。
とはいえ、ブラックばかりと言えるかというとそうでもありません。
リクルートエージェントの求人に対する良い口コミ評判
▼親身で接してくれたりホワイト企業を紹介してくれた
リクルートエージェントは3年以上勤続してる若年就活者にはめちゃくちゃ親身にマンツーマンで協力してくれますし、何よりホワイト企業ばかりでキャリアアップも見込めます
▼地方でも魅力的な求人が多い
リクルートエージェントは登録してみて良かった。そのくらい求人数多いし、便利。地方でも魅力的な求人があることに気づけた。
▼働きやすくなったし年収もアップした
リクルートエージェントで転職決まったんだけど、残業時間減って年収上がるので相当満足。いい会社も見つかるもんだな
リクルートエージェント経由で転職を成功した人は、求人の質に非常に満足しているようでした。
リクルートエージェントはブラックばかりと言われがちな3つの理由
リクルートエージェントはブラックばかりと言われがちな3つの理由は次の通りです。
扱う求人数が多すぎるので、相対的にブラック企業求人が目に入る回数も増える
リクルートエージェントはブラックばかりと言われがちな一番の理由は、保有求人数が桁違いに多すぎることです。
人材業界大手のマイナビが提供するマイナビエージェントと公開求人数(企業名が開示されている求人)を比較してみると、リクルートエージェントは37万、マイナビエージェントは4.5万とおよそ8倍以上の差があります。まさに桁が違います。
求人を扱う以上、ブラック企業を完全に排除することはできないので(エージェント側も騙されている隠れブラック企業もある)、どのエージェントにも一定割合のブラック求人がある前提に立ち、両エージェントの5%がブラック企業と仮定すると実数は次のようになります。
公開求人数 | ブラック率5%と仮定したときのブラック求人数 | |
---|---|---|
リクルートエージェント | 37万 | 1.8万 |
マイナビエージェント | 4.5万 | 2000 |
求人一覧を見ていった際、ブラック求人が目に入る回数はリクルートエージェントの方が明らかに多いです。(割合は同じにもかかわらず)
要するに、リクルートエージェントはブラックばかりというより、保有求人数が多すぎるがゆえに「ブラックばかり目に入る気がする」というのが正しい言い方です。
転職市場価値が低くても誰でも登録できるゆえに、ブラック企業を紹介されて「実質お断り」される人がいる
リクルートエージェントは建前上、誰でも利用できます。しかし実際は、利用者によって扱いの優劣がつくことは避けられません。
転職エージェントは企業に求職者を紹介し、内定が決まると収益になるビジネスモデルです。したがって「時間をかけても転職が成功しなさそうな人(転職市場価値が低い人)」は、対応が雑になることが一般的です。
特にリクルートエージェントは大手なので、キャリアアドバイザー1人が担当する求職者の数も多く、全員に時間をかけてはいられません。(時間をかけてサポートしたのに転職しなければタダ働きですからね)
具体的に次のような人は、リクルートエージェント側から見ると優先順位が低いです。
- フリーター
- 短期離職を繰り返している
- 職歴3年未満で辞めている若手
- ブランク(無職)期間が半年以上ある
- 40代以降で管理職経験なし
上記に該当している人がリクルートエージェントに登録すると、ブラック企業ばかり紹介されることが多いです。
これは明言はしないまでも、「実質的には利用を断られている」と考えるべきでしょう。「あなたに紹介できる求人は、これくらいしかありません。嫌なら別のエージェントを使ってください」ということですね。
したがって、上記の×に該当する人からは「リクルートエージェントはブラックばかり」と非難の声が上がりやすいです。
スカウトに期待しすぎている
リクルートエージェントは登録すると、「エージェントからの紹介」の他に「企業からのスカウト」で求人情報を得る機会がありますが、このスカウトは一切期待してはいけません。これは事実としてブラックが多いです。
というのもリクルートエージェントに限らず、多くのエージェント・サイトでにスカウト機能は搭載されていますが、このスカウトでまともな求人が届くことは基本的にありません。(ビズリーチなどのハイクラス向けスカウトサイトは別。あくまで一般層向けの転職サイト・エージェントの話)
というのも、スカウトを使っている企業というのは「普通に募集しても誰からも見向きもされない企業」であることが多いからです。(企業がスカウトメールを送るのは追加料金がかかりますからね)
条件の良い企業なら放っておいても人が来ますが、そんな中で積極的にスカウトを送らなければならない企業ということは…、ある程度察しがつきますね。
冒頭の口コミでも「スカウトはブラックばかり!」と憤っている人がいましたが、私からするとそんなの当然の話です。リクルートエージェントに限らず、どのサービスにも言えます。
リクルートエージェントは「担当者から求人を紹介してもらうこと」に集中すべきで、スカウトメールは拒否設定にしておくくらいで構いません。
ここまでのまとめ:リクルートエージェントで「ブラックばかり」な目に遭いやすい人の特徴
ここまでの内容を踏まえると、リクルートエージェントで「ブラックばかり」な目に遭いやすい人の特徴は次の通りです。
- フリーター
- 短期離職を繰り返している
- 職歴3年未満で辞めている若手
- ブランク(無職)期間が半年以上ある
- 40代以降で管理職経験なし
- スカウト機能に期待している
言い換えると、上記のどれにも当てはまらない人なら、ブラックばかり紹介される可能性は極めて低いです。
では本当にブラックばかりではないのか、実際の求人を使って検証していきます。
本当にブラックばかりではないのか、ホワイト企業の目安である「年間休日」で確かめてみる【結論、ブラックばかりと言うほどでもない】
リクルートエージェントの公開求人の中で「年間休日」を開示しているものを集計しました。
年間休日の目安
・125日以上:ホワイト
・116~124日:普通
・96~115日:ブラック警報
結果は次の通りです。
125日以上(ホワイト) | 9,695件 (31%) |
115~124日(普通) | 19,144件 (61.2%) |
96~114日(ブラック) | 2,432件 (7.7%) |
年間休日を目安にすると、リクルートエージェントのホワイト求人は31%、普通な求人は61.2%、ブラック求人は7.7%でした。
ブラック求人はゼロではないものの(年間休日100日前後なんて超絶ブラックです…)、7.7%しかなく、少なくとも「ブラックばかり」は言い過ぎと断言できます。
リクルートエージェントの悪評はサービスに不満を持つ人が熱量高く口にするもので、特に「フリーター・短期離職が多い」といった背景から利用を実質的に断られた人からのヘイトが、「ブラックばかり」という口コミにつながっていると考えられます。
またリクルートエージェントは求人数が多すぎるため、印象論として「ブラック企業が目に入りやすい」というのも確かであると言えます。
紹介された求人がブラック企業かどうか見極める方法
リクルートエージェントはブラックばかりではないですが、自分の目で確かめる慎重さは必要です。
口コミサイトに必ず目を通す(多少お金を払ってでも)
元社員が投稿している口コミサイトは、選考を受ける段階で必ず目を通すようにしましょう。
いずれも口コミを見るには、就業経験のある企業の口コミを投稿するか、月額料金(1,000円前後)を払う必要がありますが、その労力や金額をかけてでもチェックする価値はあります。
上記のサイトは元社員の本音が記されていて、求人票からは分からない実態が分かります。
私が転職活動をする際は、転職会議で元社員の口コミを必ず全て目を通しました。「23時まで残業」「経営者の独裁体制」のような本音の口コミもあり、そういった会社は絶対に応募しないようにしていました。
みなし残業制度は要警戒
最近ではサービス残業をさせる会社も減りましたが、その代わり、みなし残業を取り入れる企業が増えました。
みなし残業は、例えば45時間残業したことにして、あらかじめ残業代を給与に含めるよ、という制度です。一見、「残業しなくても残業代もらえるから得」に見えますが、実際はだいたい指定の時間くらい残業が日常的にあると考えた方が良いでしょう。
そして重要なのが、あらかじめ残業代を含めて、ようやく平均的な給料になる会社もあるということです。
要するに、「基本給25万+残業代5万」ではなく、「基本給(残業代を含む)25万」という感じで、上記の例なら、ここから45時間残業しても、残業代がつくことはなく、もらえる給料は25万のままです。
実質的にはサービス残業になる状況を、法の目をかいくぐって合法的に作り出しているということですので、残業時間の少なさにこだわりたい方は、警戒が必要です。
「手当」が多すぎる会社は危ない
給与明細に多くの手当が含まれていると一見良さそうに見えますが、ボーナスや退職金は基本給をもとに算出されるため、手当が多く基本給が低い場合、トータルで受け取る金額が少なくなります。
例えば、以下のモデルケースを見てみます。
- Aさんの月給が30万円(基本給15万円+営業手当15万円)で、年間給与総額が420万円(ボーナス60万円含む)
- Bさんの月給が30万円(基本給30万円)で、年間給与総額が480万円(ボーナス120万円含む)です。
10年間でAさんは4200万円の給与を受け取り、退職金が150万円です。Bさんは10年間で4800万円の給与を受け取り、退職金が300万円です。この場合、同じ月給30万円でも、10年間でAさんがBさんより750万円も少ない金額を受け取ることになります。
就職や転職を考える際には、給与総額だけでなく内訳も確認することが重要です。離職率の高い企業は、良い給与をアピールしておきながら、実際には支払いを抑えている可能性があります。
ホワイト企業の求人を紹介されやすい転職エージェント
求人の質にこだわる方向けに、リクルートエージェント以外のエージェントを紹介していきます。
リクルートエージェントに断られる属性の人は、マイナビエージェント(こちらは求人数が少ない代わりにサポートが手厚い)がおすすめです。
マイナビAGENT|リクルートエージェントにはないサポートの手厚さを求めるならコレ
- 大手ながら一人ひとりのサポートが丁寧
- 担当者の当たり外れが少ない
- 求人数は少ないので何かと併用がおすすめ
マイナビエージェントは、20代が信頼する転職支援サービス」で第1位に選ばれた実績を誇り、利用者の6割以上が20代と若者向けの転職エージェントです。
それもあってか求人数よりもサポートに力を入れているようで、大手でありながら一人ひとり丁寧なサポートが受けられるため、初めての転職でも安心して取り組めます。
地方の求人はそれほど多くないものの、業種・業界問わずオールジャンル取り扱っているため、利用の価値アリです。
ビズリーチ|マイペースに転職活動をして年収アップを目指すならコレ
- 年収600万円以上を目指す30代以降におすすめ
- ITやベンチャー企業求人が多い
- 職務経歴書(レジュメ)を登録すれば、スカウトが届く
ビズリーチは転職サイトとエージェントのハイブリッドのようなサービスです。登録すると掲載されている求人に応募できる他、転職エージェントや企業からのスカウトが届くようになります。
首都圏を中心としたサービスですが、その圧倒的な掲載数により地方の転職でも問題なく利用できます。「同世代の平均年収を大きく上回りたい」という上昇志向が強い方向けのサービスです。積極的に活動しなくてもスカウトが届くので、「良い求人があれば転職したい」という待ちの姿勢でも利用できるのがポイントです。
第二新卒エージェントneo|職歴が浅い・第二新卒・既卒はこちら
- 就職/転職に不利とされる経歴の20代専門
…第二新卒、高卒、既卒、フリーター - 一人につき平均10時間の面談サポート
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