転職回数が2回や3回を超え、しかも短期離職をしてしまうと、「転職を繰り返す人は末路が悲惨」という一般的なイメージに不安を覚えることも多いと思います。
確かに、短期間で転職を繰り返すと、根性がない、辛い環境になるとすぐ辞めるダメな人だというような印象を受けることもあります。
世の中には、そういった判断を下す採用担当者もいるかもしれません。
しかし、僕自身の経験から言えるのは、転職をたとえ短期間で繰り返したとしても、キャリアに悪い影響はそれほど及ぼさないということです。
20代で3回転職し、30代で入社先で安定して働ける会社に入れた僕は、実体験からそう断言できます。
僕は20代のうちに1年未満で転職を繰り返したことが何度もあり、経歴がボロボロだと思ったこともありましたが、最終的に自分の理想条件に合致する会社を見つけることができ、転職することができました。
もちろん転職活動の中で短期離職が影響した部分もありましたが、最終的には、細かいことを気にしない良い会社に出会えたので、別に良かったと思います。
この記事では、転職を繰り返してしまう人の末路が本当に悲惨なのかどうか、解説していきます。
前提:転職を繰り返す人の末路【一般的に言われていること】
書類選考に通らない
転職を繰り返す人は履歴書に短い職歴が並ぶことになりますので、書類選考に取りにくくなると言われます。
これは僕の経験からしても確かに一理あると思います。
転職がこれだけ一般的になったとは言え、まだまだ終身雇用だったり、10年以上同じ会社に勤めるといったことが当たり前と考えている人も多いため、そういった会社に応募した場合は書類選考では落とされる可能性があります。
また、同じタイミングで応募してきたライバルのような存在が10年以上働いていたら、そちらの方が優秀な人材のように見えてしまいますので、書類選考で競り負ける確率というのは確かに上がると言えるでしょう。
離職率が高いような企業しか採用されなくなる
書類選考になかなか通らなくなるので、必然的にいろんな会社に応募しなければなりません。
そんな中で書類選考で普通に通過する会社というのも出てきますが、ここが厄介なところで、そういった会社は離職率が高く、いわゆるブラックであるという可能性もあります。
離職率が高く、常に人材に困っているような会社というのは、誰でも良いという考えで人材を採用しています。
そのため、多少職歴に難がある人でも、とりあえずマンパワーさえあれば良いといった感覚でどんどん採用を進めていくのです。
また、もっと意地の悪い会社であれば、転職を繰り返す人が応募してくると、どうせ他では採用されないだろうと考え、こちらを低く見積もって面接してくるケースもあります。
これにより、例えば条件が相場より低いものを提示されたりといったことも充分あり得ます。
僕は、そういったケースには当たりませんでしたが、こういった話はわりと耳にします。
経験値が積み上がらない
転職を繰り返す人の業務的なデメリットとしては、1つの仕事やポジションを長く勤めることができないので、経験値がなかなか積み上がりづらいという点が挙げられます。
どんな仕事であっても、ある程度の経験年数を積み重ねなければ、次の職場で通用する即戦力レベルの能力を身に付けることは難しいです。
経験者採用といった転職ができなくなるため、例えば段階的に年収を上げたりすることは難しくなってきます。
中途採用は基本的に即戦力採用ですので、「その職種で3年以上働いた人」といった条件が課されるケースもあります。
そういった求人には応募すらできないということになりかねません。
ネガティブ思考になってキャリアアップを放棄してしまう
転職を繰り返してしまうメンタル的なデメリットとしては、どんどん自分の職歴に対してネガティブな思考になってしまい、「仕事ができるようになろう」「キャリアアップしていこう」といった前向きな気持ちがなくなってしまうことです。
要するに、どうせ自分は何度も転職してるからもう終わりだといった具合に、仕事そのものに対するモチベーションがなくなってしまうのです。
いちどそういったネガティブな思考になってしまうと、仕事で人生を向上させようという気力がなくなってしまい、「採用される職場で最低限の生活ができるくらいでいいや」といった考えに陥ってしまいます。
結論:転職を繰り返す人の末路は別に悲惨ではない【実体験】
ここまで、転職を繰り返す人のデメリット的な側面をお伝えしました。
こういった現実は確かに存在するもので、目を背けることができないものです。
しかしそういった負の側面はあるものの、僕の結論としては、転職を繰り返してむしろよかったなというふうに今は思っています。
自分の性格に合致する職場に出会える確率が高くなる
僕が20代の頃に転職を繰り返して良かったと思う最大の理由は、自分の性格に合致する職場に出会えたからです。
もしあなたが今つらい環境で働いている場合、職場の方が変わっていくことはありませんから、転職しなければ自分の今の不満やつらい状況は変わりません。
自分の理想的な会社に出会えるかどうかは試行回数に依存します。
例えば、サイコロで1の目を出すためには、1の目が出るまでサイコロを振り続けなければならないといった感じです。
幸いなことに、世の中には、転職は人生で何回までしかしてはいけないといった決まりはありませんので、言ってしまえば「サイコロ振り放題」なわけです。
自分の理想的な職場を見つけるために、積極的に行動し、いろんな環境に飛び込んでみるしか方法はありません。
これは恋愛と同じようなものですね。
理想的な結婚相手に会うためには、いろんな人との出会いを増やさなければならないということも大事です。
もちろん、1人の人と長く付き合って結婚するというのも良いかもしれませんが、その相手が本当に理想の相手とは限らないです。
20代の1番良い時期をダメな恋人との時間に費やしてしまって、30代で婚活市場に出たときには、誰にも相手にされないという話はよくあります。
これを転職に置き換えても、同じです。
20代のうちに劣悪な環境でひたすら我慢して耐えたけれども、そこでは何も身に付かなかったとなれば、転職活動をしたところで強みとなるのは、最初の会社で長く我慢したことくらいなもので、特にアピールポイントにもなりにくいです。
様々な環境を経験することで、視野が広くなる
転職を繰り返すことの良い面としては、様々な環境を目で見ることができるということです。
それにより、視野が広くなりますし、判断力も身に付きます。
転職をあまり経験したことがない人は、あまりイメージがつかないかもしれませんが、仕事のしやすさ、働きやすさ、人間関係の良さというのは、本当に会社によってまるで違います。
外側から同じように見える会社でも、実際入ってみると恐ろしく働きづらかったり、逆に全く何も知らない会社が実は退職者がほとんど出ないようなホワイト企業だったというケースもあります。
そして、様々な会社で実際に働いてみることで、悪い会社というのはどういうものか、判断できるようになるんですね。
そうすると、転職をしていろんな環境を見るほど、次の転職でうまくいく確率は少しずつ上がっていくわけです。
逆に、全く転職活動していない人が、例えば30代中盤から後半で初めて転職活動した場合、結構失敗することがあります。
他の会社の良し悪しを判断するリアルな情報がないためです。
30代後半のはじめてのジョブチェンジで失敗する原因というのは、意外と「前の職場の常識が外でも常識だと思い込んでいた」というケースも多いんです。
経歴を正直に伝えても、筋が通っていれば採用されます【逃げ癖なんて思われない】
実際に多くの職歴を持っている場合の転職活動についてお話します。
結論から言うと、転職回数はそれほど気にされません。
企業の担当者がもっとも気にしているのは、転職回数が多い「理由」です。
担当者は、同じ理由で繰り返し辞めてしまうのではないかと懸念しているため、短期離職の理由について深く聞いてきます。
おそらくその理由は、大抵ネガティブなものでしょう。
例えば、人間関係が合わない、労働時間が長いなどです。
これを直接伝えると、印象が良くありません。
しかし、理由が一貫していて論理的であれば、回数が気にされることはありません。
僕の場合は、「やりたい仕事があり、そのために転職する必要があった」という理由を伝えていました。
「やりたい仕事がある→そのために転職した→しかし、転職先の業務内容が初めに聞いた話と違っていた→自分の転職の目的が達成できなかったから再度転職した」のように、理由と結果の因果関係がしっかりと成立していれば、面接官は納得してくれます。
余談:過去の複数の職歴をひとまとめにしても基本的にバレません
完全に余談ですが、極端な話、過去の複数の職歴をまとめても、通常はバレません。
例えば、1社目と2社目を半年ずつ勤務して、3社目で2年間勤務した場合、1社目を1年間勤務したことにして、「2社目をなかったことにする」としても、別にバレることはありません。
それを確認する方法がないからです。
相当慎重な会社であればリファレンスチェックなどを行う可能性がありますが、リファレンスチェックを行う場合でも、「直近勤務先」に限られます。
履歴書に記載された内容が100%正しいかどうかを確認する企業はほとんどありません。
勤めたことのない企業の名前を書くのは経歴詐称ですが、ある程度の範囲で誇張するのは許容されるのではないかなと個人的には思います。
というのも、例えば、派遣社員が履歴書を書く際には、短期勤務の職歴をまとめるのが一般的だからです。
派遣社員は、3ヶ月ごとに職場が変わったりすることもよくあるため、履歴書にすべての勤務先を書くと非常に長くなってしまいます。
なので、一般的に転職活動する際は、短期勤務の職歴をまとめて履歴書に書くことが一般的です。
これと同じように、正社員の転職でも、履歴書の職歴が長くなりすぎる場合は、1社目と2社目の期間をまとめてしまい、2社目で働いたことをなかったことにするというのも一つの戦略ではあります。
転職を繰り返す人の共通点
「辞めたい」というモチベーションで転職活動をした
転職を繰り返す人の共通点として、辞めたいというモチベーションや理由で転職活動したというのがよくあります。
辞めたいという理由で転職活動してしまうと、どうしても理想の職場に転職することではなく、次の仕事を見つけて今の職場を辞めることが目的となってしまうので、細かい条件に目をつむってしまいやすいのです。
また、早く今の職場から脱出したいという焦りで転職活動しますので、内定が出た会社をよく精査せずにすぐに内定承諾をしてしまったりということもあります。
好奇心旺盛な反面、やりたいことがコロコロ変わる飽き性
正確な話をすると、好奇心旺盛な人というのは短い期間で転職を繰り返してしまいやすいです。
好奇心旺盛とは言い換えると、やりたいことがコロコロ変わる性格という見方もできます。
1つの物事に強い興味があって転職をするほどの原動力になる一方で、ふと飽きてしまったらもうその仕事に対する情熱はなくなってしまいます。
そうなると目の前の仕事に身が入らず、次第にミスが増えていったりもしますし、完全に冷めているので、今の仕事頑張ろうという気持ちにもなりません。
コミュニケーションが全般的に下手
転職を繰り返してしまう人で、人間関係が理由でやめてしまう人は、根本的にコミュニケーションが下手というケースが非常に多いです。
要するに、どこの職場にも馴染めないというのは、そもそもなじみ方がうまくできていないと考えられるからです。
雑談が苦手だったり、なぜかどの職場に行っても嫌われるという人は、実は自分が気づかないうちに愛想の悪い態度をとってしまっていたり、意図せず壁を作ってしまったりしているという可能性はあります。
中高生時代に運動部に所属していた経験がない
個人的な感覚で言うと、中高時代に運動部に所属していた経験がない人は、転職を繰り返す傾向にあると思います。
というのも、基本的に企業というのは大なり小なり「体育会系」ですので、運動部で培うべき能力や性格がなければ生き残っていけません。
例えば、上下関係もそうですし、辛いことがあっても乗り越えるメンタルといったものは、意外と普通の学校生活では身に付くタイミングはありませんが、過酷な運動部に入っていれば、そういう当たり前の基準が自然と高くなります。
そのまま社会に出れば、多少辛い環境でも問題なく気合で乗り越えられるかもしれませんが、中高生の間にそういった環境に慣れていないと、いきなり大人になって体育会系の社会の荒波に揉まれることになってしまいますので、辞めたいと思うようになりやすいです。
まとめに入る前に
ここ3ヶ月以内に、一瞬でも「会社辞めようかな…」とリアルに頭をよぎったことはありませんか?
なければ読み飛ばしていただいて構いませんが、もし「正直、環境を変えることも視野に入れている」という方は、この機会に小さな一歩で良いので何か準備を進めてみるのもおすすめです。
とはいえ、いきなり履歴書を書いたりなんてする必要はありません。おすすめの転職準備についてまとめておくので、チェックしてみてください。
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転職を繰り返す人は別にクズでもダメ人間でもない
転職を繰り返す人というのは、ある種見切りをつけるのが早いといえます。
勿論、本人に原因がある場合というのもゼロではありませんが、環境が明らかに悪かったり、その職場で学ぶべきものがないと言った場合、ダラダラと言い続けるほうもそれはそれでリスキーです。
なので、何かしら目的があって転職を繰り返すのであれば、別にダメ人間とは言えません。
むしろ、物事をちゃんと判断できる能力があるとさえいえます。
転職を繰り返す人の末路は悲惨だと言われることもありますが、実際問題、転職活動のやり方次第で、仕事は十分に見つかります。
この人手不足の人材獲得競争が激しい時代において、どの会社にも採用されないというような悲観的な未来を思い描く必要はないと思います。