獣医師で年収3000万は可能？1000万~2000万ラインは現実的なのか調査

獣医師で年収3,000万円に到達できるのは開業医だけ。更にその割合も数%程度

獣医師で年収3,000万円に到達できるのは開業医だけで、それ以外の働き方では非現実的です。

東京大学の資料：「獣医師の年収は公務員並み、あるいはそれ以下」

東京大学が「獣医学履修者の進路」として発表している資料では、次のように記されています。

収入（公務員並み、あるいはそれ以下）、初任給で年収250～400万円、30歳代前半でも年収500万円に届く獣医師は希

獣医学履修者の進路：現状分析と課題

獣医師は国家資格ではあるものの、年収水準はそれほど高くないと言われており、若いうちは公務員や一般企業と同じくらい。年齢が上がるにつれてそれらの職種より平均年収は高まるものの、桁が変わるくらいまではいきません。

※とはいえこれは若いうちだけで、30代後半くらいになると平均より高くなります。

同資料によると、開業医の多くは年収1,000万円以下とのこと

そして、同資料では「開業獣医師」について、以下のように記されています。

開業獣医師
数年の臨床研修後に開業する
開業資金の高騰： 数千万円
開業すれば他の獣医師職と比較して高収入？
→ 地域、場所による収入較差増
（数%は年収数千万円だが、多くは1000万円以下）
開業者数増加： 都市部では飽和に近い
→ 競争激化と収入較差の増大

獣医学履修者の進路：現状分析と課題

「年収数千万円」とありますが、それでも全体の数%とハードルが高いようで、多くは1000万円を下回るとのことです。

そもそも獣医の平均年収は？

令和4年賃金構造基本統計調査によると、獣医の平均年収は以下の通りです。

平均年収：6,866,200円
（決まって支給する現金給与額 494,700円 × 12 + 年間賞与929,800）

※調査対象の平均年齢37.8歳 / 勤続年数7.3年

ただこれは調査対象年齢がやや高め（獣医師になって10年以上）なので、若手の平均とは乖離があります。

順当にスキルアップをしていけば、30歳で500万円以上くらいになり、その後昇給を重ねて700~800万円に達するというのが希望的な観測でしょう。

名古屋たかおか動物医療センターの資料「勤務医の場合、30歳で500万円」

一例として、年間600件以上の手術を行う名古屋たかおか動物医療センターの求人に関する資料を見てみます。

１年目で年収 350 万円前後、２年目で年収 400 万円前後、３年目で年収 450 万円前後、５年目で年収 500 万円以上を想定しています。５年目の獣医に必要な獣医療レベルの目安は、他院からの一般的なセカンドオピニオンに対応できること、と考えています。

獣医師求人のメッセージ2019

他院からのセカンドオピニオンに対応できるレベルの獣医師であれば、おおよそ30歳くらいで年収500万円に到達するようです。

先ほどの東京大学の資料と大きな乖離はありません。

ただ、専門医や経営マネジメントを学ぶ道もあり、管理職や役員として働くことで年収を高めるという道もあります。

勤務医の場合、どのくらいの年収を目指せるのか

結論、臨床経験によりますが、様々な求人サイトを見る限り、高水準の動物病院だと「基本給30~40万＋賞与」と設定されており、年収700~800万円くらいが現実的なところでしょう。

また獣医師資格を活かして大手一般企業（製薬企業やペットの保険会社など）に転職した場合は、それより更に高くなることが期待できます。

もし転職で年収を上げたいと考えているのであれば、まずはこの辺りになり、経験を積むにつれて昇給するといった流れになるかと思われます。

院長クラスになると基本給60万に設定している病院もあり、その場合は900万~1,000万円くらいに到達する見込みです。

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