おとなしい人は、普段から自分の感情を表に出すことがないので、職場に不満を抱えていても周りが気づくことはありません。だからこそ、ある日突然辞めるように見えてしまうのです。
おとなしい人は質問されない限り積極的に自分のことを話しませんし、心の内を同僚に明かすこともありません。
距離感や壁を感じることもあると思います。
そしておとなしい人ほど、真面目で優秀で周りから頼りにされることも多いと思いますが、そういった人に限ってあっさり辞めてしまうことも珍しくありません。
ところで、一見急に辞めているように見える人も、実は「辞めそうな人だけが取る特徴的な行動」をしていることがほとんどです。この特徴をしっておけば、もうすぐ辞めそうな人の目星がつきます。
この記事では突然いなくなる人の特徴的な行動を詳しく解説していきます。
もしかしたら、あなたの隣席の人も、辞めようと考えているかもしれません。該当する行動を取っていないかチェックしてみてください。
おとなしい人が突然会社を辞める理由
おとなしい人が突然辞める最大の理由は、社内のほとんどの人と一定の距離・壁があり、相談することがないからです。
そのため「仕事を辞めようと考えていること」を周りが知る機会がそもそもありません。
おとなしい人は共通して、仕事とそれ以外ときっぱり切り分けていて、個人的な話を職場ですることも少なめです。
辞めようか考えているといった心の深い部分の考えを明かすこともほとんどないでしょう。かなりドライで、社内の人はあくまでビジネス上の付き合いに過ぎないという考え方なので、「辞めたい」といった本音を打ち明けたりもしないものです。周囲からすると「何考えているかよく分からない」といった印象を持たれることもあります。おとなしい、と紙一重です。
ちなみに余談ですが、いつも「辞めたい」と愚痴を言っている人ほど全然辞めません。
おとなしい人が突然会社を辞めるのは、「おとなしい人ほど怒らせたらヤバイ」の感覚に似ている
おとなしい人は普段から感情を表に出しません。なので周りもそれに甘えて雑な対応を取ってしまうこともよくあります。しかし、おとなしい人はストレスを感じないのではなく、発散せず、内側に蓄積させているだけに過ぎません。そしてその蓄積が溢れた瞬間に、周りが驚き戸惑うような起こり方をすることさえありません。
おとなしい人が突然会社を辞めるというのは、この構造に近いと思います。
というのも、おとなしい人ほど負担の大きな仕事が回ってきやすいからです。おとなしい人はたいてい”いい人”なので、嫌な顔をしたり面と向かって断ったりせず、面倒な仕事も引き受けて真面目にこなします。上司や同僚もそれに甘えて頼りきりになることもしばしばです。
しかし、やはり周りより明らかに損をしている状況を、なんのストレスもなく受け入れるはずもありません。そのストレスは徐々に蓄積していき、ある限界値を超えたタイミングで周りが驚く大きな行動に出ます。それが「会社を辞める」という選択なのです。
とはいえ、急に辞めるわけではなく準備はしている
急に怒り出すのような突発的な行動と違い、大人しい人(特に優秀な人)は長期的な視点で行動するのに長けています。要するに「この会社は辞めよう」と見切りをつけた瞬間から、次の仕事を探す行動をしているわけです。そしてその優秀さゆえに、転職先は意外とスムーズに決まります。
そうすれば、あとは顔色を変えずに退職の日を待つだけです。
自己主張に慣れておらず、なかなか言い出せないパターンも少なくない
おとなしい人は、普段から自分の意思や考えを主張することがあまりありません。それに慣れていないため、「どうやって言い出そうか」とタイミングを伺ったり、躊躇したりしている間にずるずると時間が経過しているということも多いです。
そして「退職を言い出すならここまでに伝えなければ」というギリギリのタイミング(目安は遅くとも1ヶ月前に伝えるべきと言われている)で、退職を切り出すことも。本人はかなり前から辞めるつもりだったわけですが、周りは突然知らされるという形になるのです
突然辞める人の特徴的な行動【辞めるつもりの人は実は分かりやすい】
結論から言うと「先を見据えた行動」を取らなくなります。
先を見据えた行動というのは、例えば「仕事の評価を上げるために○○する」「社内の円滑な関係を築くために○○する」のような、未来の何かのために今行動するというものです。突然辞める人は退職を決心しているわけなので、当然といえば当然ですね。
では具体的な行動を見ていきましょう。
評価がどうでもよくなる
辞めることが確定しているわけなので、組織・上司から評価される必要はありません。したがって、次のような特徴・行動が目立つようになります。
- ケアレスミスが増える
- 離席時間が長くなる
- 残業をしなくなる
- 勉強会などに参加しなくなる
- 最低限の仕事しかしなくなる
もちろん真面目な人の場合は、あからさまに手を抜くことはありませんが、それでも依然と比べて仕事のクオリティは目に見えて落ちることが多いです。
前以上に会社の人間関係にこだわらなくなる
おとなしい人はあまり積極的に飲み会に参加したりしませんが、退職が確定した場合、それに輪をかけて「ノリが悪く」なります。
- 飲み会やランチを断るようになる
- 雑談が少なくなる
- 性格が暗くなる(無理して明るくしていた場合)
ちなみに3つ目と真逆で、これまでストレスを抱えていた人が退職によってストレスから解放されることから、性格や雰囲気が明るくなるパターンもあります。
立つ鳥跡を濁さずのサイン
おとなしい人や真面目な人は、辞める際にできるだけ周りに迷惑をかけないようにと、念入りに「立つ鳥跡を濁さず」な行動を取るのが特徴です。
- 有給消化のペースが上がる(有給を早めにバランスよく消化するため)
- 作業マニュアルなどを作り始める
- 私物が少しずつ減っていき、デスク周りが綺麗になる
これらが、突然辞める人の特徴的な前兆・サインです。
なぜ優秀なエース社員や期待してた人ほど突然辞めるのか
シンプルに、会社が見切られているからです。優秀な人はどこからも引く手あまたなので、何かしら大きな不満のある会社に我慢して留まる理由がありません。
優秀な人材はこの会社はダメだなと思った時に見切りをつけるのが早いです。株式投資と同じで優秀なトレーダーは株価が下がってきたタイミングで即座に損切りをします。その判断が的確であるため、優秀なトレーダーは損失を最小限に抑えることができます。
一方、優秀でないトレーダーは、また上がるかもしれない、もうここがそこかもしれない、といった具合にズルズル下がり続ける株を持ち続ける傾向があります。
ここで言う株は、会社と同じで、ここにいても成長できない会社を指します。優秀な人は、すぐに見切りをつけるため、そのような会社を離れることがあります。
おとなしい人や真面目な人が急に辞める会社は危険信号
おとなしい人や真面目な人が急に辞める会社は危険信号であると考えています。
風通しが悪く、問題が改善されないので「言っても無駄」な空気がある
風通しが悪く、問題が改善されない職場では、「言っても無駄」という空気が蔓延しています。
真面目で優秀な人ほど、こういった職場に見切りをつけるのが早いです。
このような職場では成長できず、どんどん悪化していく一方になります。
改善を申し出ても、まともに取り合ってもらえないような職場は、優秀な人が去っていき、そうでない人が残るというのは自明です。
社員に情報共有がされていない可能性も高い(本人は事前に伝えているのに)
風通しが悪いため、社員間での情報共有が徹底されていないことがあります。
例えば、本人が前もって余裕を持って伝えたことが、すべての社員に共有されていないケースです。
その結果、辞める人は事前に伝えたにもかかわらず、他の社員からは突然辞めたと捉えられてしまうことがあります。
こういった職場は、チーム間の情報連携が全くうまくいっておらず、機能不全になっている組織の可能性が高いです。
おとなしい人に仕事が増え、真面目な人ほど損をするようになっている
おとなしい人が突然辞める職場というのは、特定の人に仕事が偏っていたり、要領の良い人が楽をしていたりすることも多いです。
おとなしい人というのは自己主張がない人なので、きっぱりと断ることはあまりありません。
真面目すぎるというのは要領が悪いと表裏一体であると言えます。
こういった職場は、要領の良く賢い人ほど面倒な仕事を逃れて良い思いをしていたりするため、真面目な人からすると、それは理不尽に思って当然です。
仕事を突然辞める方法は「相談ベースにしないこと」
では仕事をなるべく早いタイミングで辞める時というのは、どういう伝え方が良いのでしょうか。退職を考えているわけではない人も、頭の片隅に入れておいてください。
不満を聞かれても答えない方が良い
仕事を辞めることを伝えると、100%理由を聞かれます。
その時に、改善の余地がありそうな答え方をするのはNGです。
例えば、「こういう仕事が不満ですよ。自分だけ仕事量が多いのが不満です。」と相談ベースの伝え方をしてしまうと、「分かった、じゃあ仕事量を減らすよ」といった改善提案をされることが多いです。
改善がされるなら良いのではと思うかもしれませんが、大体の場合、それは時間が経てば元通りになる一過性のものに過ぎません。
また、改善の余地があると考えられると、過剰な引き留めに合うケースもあるため、周りのことを考えてしまいがちです。
おとなしい人は、つい流されてしまうこともあります。と言うわけで、不満を聞かれても答えるべきではありません。
転職先を決めてから退職する
退職理由を聞かれた場合は、転職するかどうかと答えるのが最善策です。
転職先が決まっているという状況なら、上司から引き止められることもなく、スムーズに引き継ぎ業務に取り掛かることができます。
そのため、突然辞める場合は、事前に転職先を決めておくことが最善です。
マニュアルを作っておく
退職の際は、自分の業務を他の人に引き継がなければなりません。
突然辞めると、その人にかなり負担がかかるため、事前に退職を伝えられない場合は、少しずつマニュアルを作っておくのがベストです。
このマニュアルを見れば、業務はすべて滞りなく進めることができます。
周りに迷惑をかけることもありません。
退職までの期間に気まずい思いをすることもなく、スムーズに退職できます。
有給は少しずつ使う
突然辞めると伝える場合は、有給を少しずつ使っておいて、残りが少ない状況にしておくのが良いでしょう。
突然やめて、退職時に一気に有給を消化すると、引継ぎに影響が出る可能性があります。
引継ぎがスムーズでなければ、職場の雰囲気が悪くなることもあるため、注意が必要です。
突然辞める人はどう思われている?迷惑?
では突然辞める人というのは、周りからどう見られているのでしょうか。
迷惑を思われるのは避けられないが、どのタイミングで辞めても一緒
現実を言ってしまえば、突然辞める人は、職場に残る人からすると迷惑な存在です。
これは仕方のないことであり、なるべく早く伝えたところで、大なり小なり退職するまでの時間を一緒に過ごす必要があります。
とはいえ、どんな職場であれ人がいなくなると、人材不足などの問題が生じ、他の人の負担が増えます。
正直、どのタイミングでも迷惑はかかってしまいます。2ヶ月前に上司に言おうが、1ヵ月前に言おうが、迷惑な人と思われてしまうことに変わりはありません。
そこで、あなたにできることとしては、極力周囲に迷惑がかからないようにすることが重要です。
マニュアルを作成したり、早めに行動したりすることが望ましいです。ただ、必要以上に気を使う必要はありません。
辞めたいと思ったタイミングが辞め時
辞めたいと思ったら、辞めることがあなたのキャリアにとってベストです。
一方、辞めたいと思いつつズルズルと居続けることは、気を遣いすぎることです。
優秀な人ほど、見切りをつけるのが早いことが先ほども書きました。それどころか、早めの決断が成功の秘訣です。
おとなしい人が突然辞めると言い出したら、周りはどうするべき?
上司や管理職目線のおとなしい人との接し方を解説します。
結論、周りにできることはない
おとなしい人が突然辞めると言い出したら、結論として、同僚や上司ができることはありません。
おとなしい人が辞めると言った時点で、本人の中での決定事項です。
周りが何を言おうと心変わりすることはありません。
そのため、無理に引き止めようとするのはやめておく方が良いでしょう。
強いて言うなら、理由を聞いて改善案を伝えてみる
株の人材不足によるストップは避けたいものですが、もし原因を聞いて改善策を提案することができます。
業務量を少し改善するだけで、従業員が職場に残る可能性もあります。
ただ、期待しすぎない方が良いでしょう。
真面目な人や優秀な人が突然辞めないようにするには
不満を引き出せる時間を設ける
真面目な人は、突然優秀な人が辞めないように、定期的に個人面談を実施し、不満を引き出す時間を設けることが良いでしょう。
上司や管理職は、仕事のモチベーションがあるか、これからどのような仕事に調整していきたいかといった観点でヒアリングしてみましょう。
もし不満がある場合は、あまり前向きな答えは返ってこないかもしれません。
業務量が全員均等になるように、管理職はしっかりと管理をおこなう
個々人の負担が違うことや、理不尽な思いをする状況を避けるためには、残業時間など、定量的な視点で常にモニタリングすることが必要です。
また、業務が正当に評価されていると感じられることも重要です。
指間だけで判断せず、仕事をしっかりと見てあげることも大切です。
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まとめ
「おとなしい人が突然辞める理由やその背景」について解説しました。以下、まとめを行います。
- 「突然辞める人」は、おとなしい人や真面目な人が多い傾向がある
- 優秀な人ほど見切りをつけやすい。
- 突然辞める理由として、職場環境が原因であるケースが多い
- 「風通しが悪い」「問題が改善されない」等、改善を申し出ても、まともに取り合ってもらえないような職場では、優秀な人が去っていき、そうでない人が残る
- 突然辞める人は、周囲に迷惑をかけることがあるため、極力周囲に迷惑がかからないようにすることが重要である。マニュアルを作成する、早めに行動するなどが有効である
おとなしい人ほど自分の想いや感情を表に出すことがありません。そのため、周りは突然の退職に驚くこともあるでしょう。しかしおとなしい人は、かなり前から退職を考えていたというケースがほとんどです。